“良い大人と悪い大人を、きちんと区別出来る目を養ってください。
良い大人とは、言うまでもなく人生のいつくしみ方を知っている人たちです。
悪い大人とは、時間、お金、感情、すべてにおいて、けちな人々のことです。
若いということは、はっきり言って無駄なことの連続です。
けれど、その無駄使いをしないと良い大人にはならないのです。
死にたいくらいの悲しい出来事も後になってみれば、
素晴らしき無駄使いの思い出として心の内に常備されるのです。”
山田詠美「放課後の音符」から「放課後の大好きな女の子たちへ」より抜粋
久しぶりに大学時代の友人のひとりと連絡が取れました。
大学在学中、たまに同じクラスになった日本人の女の子。
お互い他に仲良くしていたお友達もいたけれど、
ふたりでいるとなんだかふんわりとした時間を過ごせる、
ふだん周りには話さない個人的な思いをそっと打ち明けてくれたりする子でした。
上の言葉は、そんな彼女が日本へ帰ることになったとき、
よかったら読んでとくれた本のあとがきからの抜粋です。
久しぶりに読んだら、胸がキュンとしました。
世間から見れば私もれっきとした大人だけれど、
世間から見れば私もれっきとした大人だけれど、
無駄でもいいから経験をもっと積んで、人生の慈しみをしっかりと分かるようになって、
そしてもしそのとき10代、20代を頑張って生きている子がまわりにいたら、
この言葉をそっと教えてあげたいなって思います。
あした、彼女に手紙を出します。