Wednesday, July 31, 2013

Wildflowers


一度歩いてみたいと思っていた河原には繚乱のワイルドフラワーが。 
「これはスウィートピー、あれはアン女王のレース、それはフォックスグローブ・・・」 お散歩しながらついつい植物の名前を口に出してしまう癖は 
私が小さかった頃によくそうしていた母とおんなじ?
 目新しいものを見つけては「あれは何だろう?あの葉っぱは何かな?」という私と、
 「僕は植物学者じゃないからね」とさらりとかわす主人。 
あのね、別にあなたに聞いてるわけではないから、答えなくていいの。 
ヒトリゴトだもん。 
 摘んできたお花の中にははじめて見るものがあって、 
アスター系かなって思ったけれど、 花弁の先がギザギザになっているところ、
縦咲きのところ、筒状花がないところが 違っていたので、
調べてみたらなんとチコリのお花でした。 
(↓真ん中のブルーのお花。) 
夜になるとどんどん閉じてしまうのですが、とってもキレイなブルーです。


Monday, July 29, 2013

Summer Scent


月はまだ天のなかに居る。
 流れんとして流るる景色も見えぬ。 
地に落つる光は、冴ゆる暇なきを、重たき湿気に封じ込められて、
 限りなき大夢を半空に曳く。
 乏しい星は雲を潜って向側へ抜けそうに見える。 
綿のなかに砲弾を打ち込んだのが辛うじて輝やく様だ。
 静かに重い宵である。 
小野さんはこのなかを考えながら歩いて行く。
 今夜は半鐘も鳴るまい。

  夏目漱石「虞美人草」より抜粋(新潮文庫 P. 241)


 お話の中に、教えがあるものや、読んでいて心が洗われる作品が好きです。
 またはアート的な要素が詰まっているもの。
 たとえ題材が好きな感じでなくとも、 
文体や言葉が美しいとぎゅっと胸を締め付けられそうになる。 
そんな感じのものがいいな。 
これは漱石が朝日新聞に入社してはじめて書いた長編で、
当時すごく話題になったそう。
 エゴイスティックなヒロイン含め、周りに登場する人物像も 
私の中ではあまり魅力的ではなくて 
どちらかというとお話の内容は好きではないのですが、
 本編に折り重ねられる言葉が素敵で、
何度も読み返したくなります。 
(ところで虞美人草とはまたまたポピーのこと)


先日母から届いた小包の中に私の好きなお香屋さんのお香が入っていました。
さっぱりしているのでお客様が来るときに焚いてもいいなと思いました。
 友人に頂いた陶器の小物入れを香炉にして。
 お懐紙も同じ友人の歌舞伎座のお土産で 
よく見えないけれど歌舞伎面の絵が入っていてお茶目♪


「虞美人草」にはいくつか気に入った文節があるのですが、
 今日はもうひとつだけ載せることにします。

 〜 

 外には白磁の香炉がある。
 線香の袋が蒼ざめた赤い色を机の角に出している。 
灰の中に立てた五六本は、一点の紅から烟となって消えて行く。 
香は仏に似ている。 
色は流るる藍である。 
根元から濃く立ち騰るうちに右に揺き左へ揺く。 
揺く度に幅が広くなる。
 幅が広くなるうちに色が薄くなる。 
薄くなる帯のなかに濃い筋がゆるやかに流れて、
 仕舞には広い幅も、帯も、濃い筋も行方知れずになる。 
時に燃え尽した灰がぱたりと、棒のまま倒れる。 

夏目漱石「虞美人草」より抜粋(新潮文庫 P. 352) 

===

 あるシーンのたったヒトコマに出てくるお線香の様子を 
10節に渡って彼が描く文章。 
実際にお線香や棒状のお香が燃えるのを観察していると、
漱石が言った通りの様なのです。
 香の世界が好きなので、こういった描写を見つけると嬉しくなりますが、 
それ以上に彼の詩のような表現が素敵すぎます。


鬼頭天薫堂「鎌倉四季の香り 星月夜」

Shopping


ずっと木のサラダボウルが欲しいと言っていた主人。
はじめて立ち寄ってみたお店でやっと自分の気に入ったものを見つけました。 

今年の夏はジーンズと夏用のパンツを買い替えたので
ボトム系はもういらないと思っていたのに、 
私は私でシルクの巻きスカートを見つけてしまいました。 
 ボウル、主人が使わないときには、私が好き勝手に使わせてもらって。 
使いやすいので、もうひとつあってもいいねって話しています。 
シルクのスカートも肌にサラッとして着心地がよくって、 
こちらももう一枚あってもいいなって呟いてみたけど、
彼には聞こえたのかしらん。 



買い物のあとはお気に入りのフレンチカフェで
コーヒーを楽しんでから帰りました。 
旦那さんはいつも食材に目を奪われていますが
(この日はチョリソーとメープルシロップ)、
 私はお店の中にいつも飾られているドライフラワーが気になって仕方がないのです。
 バニラとカモミールがインヒューズされたシロップは 
ガラス瓶の小さいサイズでワックスシールされています。 
ジャケ買い?

Maple Syrup: Noble from Mikuni Wild Harvest

Friday, July 26, 2013

Citrus


夏のあいだ常に冷蔵庫に入っているレモネード。
 使ったレモンの輪切りは冷凍しておいて、 
いっぱいになったらコトコト煮てジャムにします。 
ジャムは毎年夏の間にたくさん瓶詰めにして
いつでも食べられるようにしていたけれど、
 最近は残り物などの少ない量でその都度煮て、 
すぐに食べてしまうようにするのもいいなって思っています。 
そうすれば飽きないしね。 
私はベリー系よりも柑橘系が好きなので、 
美味しいオレンジでもう何年も作っていないマーマレードもいいな。

Tuesday, July 23, 2013

Summer Style


昔、暇さえあれば畑に立っていた祖父母と 
そんな彼らが趣味で置いていたお野菜の無人スタンドを思い出しながら、
 道ばたスタンドや個人ファームで季節の食材やお花を買っています。 
街だと1個4、5ドルする大きなオーガニックのガーリックも 
1ドル〜1ドル50セントだったり。 
お花は夏らしい向日葵、ニゲラ、そしていろんな色のジニア(百日草)を選びました。

Love in the Mist


ぴょこぴょこヒゲがたくさのニゲラの別名はLove in the Mist(かすみの中の愛)。 
この名前をつけたのはどんな人だったんだろう。 
名前を考えてた頃に、恋人と霧雨の中をよくお散歩してたのかな。


Sunday, July 21, 2013

I Don't Want A Parrot

"... opened the door a crack wide enough for the whole world to pass through."
from "Love in the Time of Cholera" by Gabriel Garcia Márquez


マルケスはこれまで何冊か読んでいますが、
この本は人に勧められるまで手に取ったことがありませんでした。
恋愛ものはあまり得意ではないのですが、
マルケスの淡々とした話の進め方は好きです。

ラヴェンダーは紐に吊るして乾燥させました。
このまま壁に飾っておこうかな、ポプリにしようかな。


 Love in the Time of Cholera by Gabriel García Márquez(英語訳です。)

Thursday, July 18, 2013

Sunday Observation


 見た目にも夏らしいニソワーズ・サラダとアジアンヌードルを楽しみながら、 
お友達とリバーフロントを行き来する人たちを眺めた日曜日。
 その後もクラシックカーのイベントを見たり、
 コーヒーを飲みながらおしゃべりに花を咲かせたり。
 彼女との楽しい時間はいつものことだけど、
夏は明るいので普段以上に気分が高まります。 

~


帰りはお家の近所のカフェで旦那さんと待ち合わせ。
 旦那さんとはいつも一緒に行動しているので、
 待ち合わせしてから出かけるのは何気にワクワクします。 
この日は待つ間に木陰のベンチに座って本を読んでいたら、いつのまにかウトウト。
 東京では木陰でも暑かったけれど、
ここでは木陰に入ってしまうと とても涼しくて気持ちがいいのです。 

 夜は毎年恒例の野外シンフォニーへ行きました。 
残念なことに、
今年は音楽よりも騒ぐ声や周りのおしゃべりのほうが耳に入ってきてしまい、 
大好きな「パガニーニの主題による狂想曲」もよく聞こえなかった・・・
 開演ギリギリに着いたので、うしろのほうに座ったのが悪かったのかなあ。 
でも空が少しずつ暗くなっていくのを見ながら
ブランケットにくるまって聴く音楽は ふだんよりもリラックスできていいものです。 
今年はスターウォーズのテーマ曲も。 
この曲、もし映画との関係がなかったとしても
楽しくて素敵な曲だなって思います。 


Symphony Program: 25th Annual Symphony in the Park 
by VSO

Gordon Gerrard (Conductor) and Avan Yu (Pianist) 

・SHOSTAKOVICH Festive Overture 
・BRAHMS Hungarian Dances Nos. 1, 4, 5 
・RACHMANINOFF Rhapsody on a Theme of Paganini 
・ROSSINI Barber of Seville: Overture 
・SMETANA Ma Vlast: The Moldau 
・TCHAIKOVSKY 1812 Overture
etc.

Wednesday, July 17, 2013

Oh, Summer!

暑中お見舞い申し上げます!


一般的にお盆といったら8月の半ばの旧盆ですね。
 でも先日母と話していて、
実家では7月の14日過ぎがお盆だということに気付きました。 
お盆、私にとっては祖母が帰ってくる日・・・でしょうか。
 おばあちゃん、おじいちゃんが待っているから、
今年のお盆もどうか帰ってきて下さいね。 
こちらは今年、気温の高い日が多くまさに夏です。
 (気温が低く、夏っぽくない年もあるのですよ)
 それでも30℃越えは珍しいのだから、 日本よりずっと強い紫外線を除けば、
こちらの夏は過ごしやすく贅沢なのかもしれません。
 引き続き、素敵な夏をお過ごしくださいね。

Monday, July 15, 2013

à la carte


タラゴンに小さな黄色いお花、レモンバームには白いお花が咲きました。
ということは、そろそろハーブの旬も終わりかな。
タラゴンのお花は食べられるお花だそう。


とっても簡単なので、夏によく登場するアボカドと卵のオーブン焼き。
いつも散らすパセリやタイムの代わりに、この日は収穫したタラゴンを。
黄身が流れるくらいに焼いて、パンに付けて食べると美味しいです。

夏が似合うアボカド。

Friday, July 12, 2013

For the Light in Your Eyes

7月、私にとっては「ブラジルの月」なのです。
 3年前の7月は仕事でブラジルのサンパウロに行っていました。 
すごーく忙しくて観光はほとんどできませんでしたが、 
それでもサンパウロの活気をたくさん感じて、忘れられない国になりました。 
今頃あちらは冬ですね。

▲3年前に撮ったサンパウロでの写真 

 そんな今日もブラジルのリズムをひとつ。
 最近気になっているPaula HeringさんとRafael Arcaroさんのユニット。 
Youtubeでたまたま見つけたのですが、動画も可愛いです。
 ネットで検索してもあまりヒットしないので
プロとしては活躍されていないのかもしれませんが、 
Rafael Arcaroさんのギターも素敵で、息づかいも心地良いです。


夜に彼らの歌声で涼を取るのもいいかもしれない。

 I found this nice clip of Paula Hering and Rafael Arcaro from youtube. 
I don't know if they perform professionally, 
but I very much adore their cozy music. 

Other pieces: São LonguinhoCarinhoso and Samba poema 
by Paula Hering & Rafael Arcaro
(Their Facebook page is 
here and more music is in soundcloud.)

Tuesday, July 9, 2013

When the Snow Melts....

中学校の英語のテストの問題で、最近こんなお話を知りました。 

問.次の文を過去の文に直しなさい。
 "I live in Tokyo."


 ふつうに考えると答えは文章をそのまま過去形にするだけの
 "I lived in Tokyo." ですよね。 
でもこんな風に答えを書いた子がいたそうです。
 "I live in Edo." 

もう、最高〜(^^) なんてflexibleな答えなの! 
そうだよね、東京は江戸だったよね。 

この先生はどう採点したんだろう。 
先生が意図したものとは異なっていても、答えとしては全然間違っていない。 
たとえ生徒がウケ狙いで書いたとしても、私、好きだなあ。 
先生の苦笑する顔が目に浮かびます。


「雪が溶けたらどうなる?」という問いの答えは
「水になる」。 
でも春と答えた子がいました・・・というのは有名な話。 
 こんな柔軟な頭を持ちたいな。

ouço as cores e vejo os sons


"太陽がゆっくりと沈んでる 
ドビュッシーの海に沈み、そこで果てる 
海の青の中で ルノアールのきらびやかな色彩 
女性や小舟や裸の胸が 宙に点を描く 
ラヴェルの神秘的な音 私たちを包み、
地面で守ってくれる空 レモン・ブルー 
モネの輝く色彩 まるで庭に咲くアマポーラのように 
私とあなた 自分の心を写真に撮ってみる  
色を聞き、音を見る 
数々の海と空の、色と音を  
様々な青に驚嘆する 
そして美は刻み込まれる 
永遠に、私の中に" 

 ジョイス・モレーノ「クロードとモーリス」國安真奈・訳



柔らかい歌い方の小野リサさんのボサノヴァ、心地よくて好きです。
 でも最近はジョイス・モレーノさんの力強い渋さも、聴いていてホッとします。 

彼女の歌詞の表現力がとってもとっても豊かで、 
まるで繊細できれいな挿絵が載った絵本を読んでいるみたい。
 曲を聴きながらポルトガル語の歌詞カードとにらめっこして、
 理解できる単語をピックアップしています。 
スペイン語がすこしだけ(ほんとうに少し)分かるので、
 それに似ているポルトガル語はなんとなく単語を照らし合わせやすいです。
 ドビュッシーやルノアールなど、人の名前はすぐ分かるし、 
英語と同じもの、簡単な文法も何となく分かる気がして楽しい。 
ちなみにアマポーラはポピーのことです。


アルバムを聴きながら、前日に買ってきたシェ・クリストフのチョコレートを。
 新しくできたショコラトリー。 
クロワッサンを買うつもりで寄り道したら、
スイススタイルのチョコレートや 
フレンチ・ガトーがたくさんあって迷ってしまいました。 
様々な国で働いたあと、
バンクーバーの有名レストランで パティシエをしていたというクリストフさんのお店。 
その後ドライブに行く予定だったのですが、
クーラーボックスを持っていたので クロワッサンの他に
チョコレートとマカロンも買ってもらいました。
 今度はガトーを食べてみようっと。


 "Claude et Maurice" from "Tudo" by Joyce Moreno
Chez Christophe Chocolaterie (4712 Hastings Street Burnaby, BC V5C 2K8)

Monday, July 8, 2013

Whistler


6年ぶりに訪れたウィスラーヴィレッジは
オリンピックのために整備されてから、
以前よりも大きく、ずっとキレイになっていました。 
 私はこれまでウィスラーに一度も泊まったことがないし、
スキーやスノーボードもしないのであまり興味がなかったのですが、 
ショッピングエリアやレストランがずっと増え 
ライブミュージックや催しもたくさんあって楽しそうだったので、 
今度日本から家族が来たら
ウィスラーでゆっくりするのもいいなあと思いました。 
 1時間ほどブラブラしたり、ボーッとライブの練習を見たりしたけれど、
 せっかく行ったのだから、アイスクリームでも食べれば良かったかな。

Sunday, July 7, 2013

Sea to Sky


木漏れ日が好き。


昨日はマイナスイオンを求めてスクウォミッシュのシャノンフォールに行ってみたら 
とっても混んでいてパーキングができなかったので、
諦めてアリスレイクへ行きました。 
でもアリスレイクもなんて賑やかなこと! 

日光が苦手なので、ビーチではなく手前の木陰で休憩しました。 
すぐそばで子どもたちが水鉄砲で遊んでいて、 
その中の3歳くらいの男の子がニコニコ話しかけてくれたのだけれど、
 赤ちゃん語で何を言っているのか全然わからなかった!
でもそのボーヤ、とってもご機嫌だったので、
 きっと「楽しいね」っていう気持ちをシェアしてくれたんだね。ありがとう。 


アリスレイクで休憩した後は、いくつかのビューポイントに止まりながら、 
最終的にはウィスラーへ行きました。
バンクーバーからウィスラーまでのハイウェイは 
2010年のバンクーバーオリンピックのときにキレイに整えたので、
 とっても気持ちのいいドライブができます。 
ハイウェイの名前も景色の通り「sea to sky 海から空へ」。
 途中たくさんのレイクやビューポイント、滝、アクティビティスポットがあり 
ブリティッシュ・コロンビアらしい情景が続くので、 
お天気の日にハイウェイをドライブするだけでも楽しいです。


 そういえば今日は七夕でしたね。 
いいお天気だから、織り姫も彦星に会えたね、きっと。