Sunday, March 4, 2012

Kōji Fukiya

春雨が、冬に降るよな しとしとみぞれ
やるせなみだの ためいき そつと
窓のがらすに 小指が書いた
君のかしら字 つめたき心
後から といきの 消す こゝろ
春雨が 冬に降るよな しとしとみぞれ
やるせ涙の ためいき そつと
封じこめましよ
秘し去りましよか
君のみこゝろ
秘し去りましよか
後から といきの 言ふこゝろ
『吐息の罪』蕗谷虹児

3ヶ月も前のことですが、東京の地元で開催されていた「蕗谷虹児展」に
母と一緒に出かけてきました。
詩人であり画家でもあった彼は、繊細で美麗な抒情画と詩をつくり、
大正から昭和にわたり、少女たちの人気を博したそうです。
抒情画では高畠華宵、中原淳一、竹久夢二が有名ですが、
1920年にその夢二氏に会ったことで、
蕗谷虹児もイラストレーターとして活動していくようになったのです。


最初に記した詩は「吐息の罪」という詩で、
星が輝く夜空が見える窓辺に立った女性の絵が一緒になっています。
好きな人との別れの詩なのかな。
どんな恋をしていたのかな。
 蕗谷さんの詩はどこか切ないものが多いです。


蕗谷さんの「わがATELIER」のポストカード。
アトリエで静かに本を読む女性の絵は、私のお気に入りですが、
他にも「船室(キャビン)」や「CUPID を飼ふひと」という絵が好きです。
カラーもとても素敵なのですが、私は白黒のイラストに強く惹かれました。
 彼は「人魚姫」や「マッチ売りの少女」など
世界文学の挿絵をした人としても有名で、

読んだことはありませんが、吉屋信子の「海の極みまで」や
三島由紀夫の「岬への物語」の挿絵も彼が担当したのだそうです。
また彼の作った「花嫁人形」という詩は歌にもなりました。

 今回の個展は、駅から近い「ことばらんど」で行われました。
ことばらんどでは、その町に縁のある方々の作品をときどき展示しているそうですが、
蕗谷虹児もまた、私の地元で20年近く暮らしていた時期がありました。
いつかは新潟にある彼のギャラリーに足を運んでみたいと思っています。


母が送ってくれた荷物の中に、
ヨックモックのチョコレート・シガールがありました。
主人はヨックモックのシガールが大好きなのです(私も〜)。
ヴァレンタインの頃のお話なので、
ちょっとカッコいいチョコレート・シガールでした。
先日は母の誕生日だったので、母に関連したことを書いてみました(^^)