いつだったか、久しぶりにハーロウ・ストリートをまっすぐ歩いて、
スタンレーパークのセカンドビーチに行きました。
ダウンタウンとはいえ、大通りから一歩中へ入るととても静寂。
アパートの間にひっそりと建つ昔からの一軒家とか、
ノーティス・ボードのある十字路とか、お手入れされた花壇とか、
目を楽しませてくれるものがたくさんあります。
昔、旦那さんがパーティをしたところ、私がよく遊びに行った友人のアパート。
そんなことを教え合いながら歩きました。
コーヒーブレイクのあとは
ずっと行ってみたいレストランを通り過ぎ、その後もハーロウを歩いて、
ロスト・ラグーンを横目にさらに前へと進んで、久しぶりにスタンレーパークの中へ。
スタンレーパークには、いつ行っても目新しい植物があるから楽しいです。
バンクーバーで最も危険な場所のひとつだけれど、
いつでもこの町の人に愛されている場所。
産まれたばかりのギースの赤ちゃんが歩いていたり、
ローラーブレイドを楽しむ人がいたり、各々の憩いの場。
セカンドビーチを背にイングリッシュ・ベイ方面へ歩く頃には、
日が沈みそうになっていました。
この国に来たばかりの頃はこのイングリッシュ・ベイが大好きで、
学校が終わるとよく足を運んだり、パーティのあと真夜中にビーチで遊んだり、
いろんないろんな思い出があるところ。
やっぱり今も大好きです。
砂の上は、誰かが歩いてもいつのまにか足跡が波に消されてしまいます。
昔、人は美しい情景を見ながら、
この瞬間そのものを残したいと思ってカメラを発明した。
そしていつしか、その美しい情景だけでなく、
そこにある時間の流れをも記憶にとどめたいと思ってビデオカメラを発明し、
音や光や動作を簡単に残すことに成功した。
いつの日か、今度は音や動きだけでなく、
例えば磯の香りとか、冷たい水に足を入れてみたときの感触だとか、
そんなことまでをも「再生」という形で手元に残せてしまう日が来るのかなあ。