君を夏の日にたとえようか。
いや、君のほうがずっと美しく、おだやかだ。
荒々しい風は五月のいじらしい蕾をいじめるし、
なによりも夏はあまりにあっけなく去っていく、
時に天なる瞳はあまりに暑く輝き、
かと思うとその黄金の顔はしばしば曇る。
どんなに美しいものもいつかその美をはぎ取られるのが宿命、
偶然によるか、自然の摂理によるかの違いはあっても。
でも、君の永遠の夏を色あせたりはさせない、
もちろん君の美しさはいつまでも君のもの、
まして死神に君がその影の中でさまよっているなんて
自慢話をさせてたまるか、
永遠の詩の中で君は時そのものへと熟しているのだから。
ひとが息をし、目がものを見る限り、
この詩は生き、君に命を与えつづける。
ウィリアム・シェイクスピア「ソネット18」戸所宏之・訳
ローングウィークエンドもあっという間でしたが、
今週も田舎道でお野菜を買ったり、お散歩したり、
思い出のある教会を見に行ったり、
ブルーベリーやピーチでパイを作ったり、夏のお花を束ねたり、
シェイクスピアの詩を思い出したりしていました。
The Sonnets no. 18
by W. Shakespeare
Shall I compare thee to a summer's day?
Thou art more lovely and more temperate:
Rough winds do shake the darling buds of May,
And summer's lease hath all too short a date:
Sometimes too hot the eye of heaven shines,
And often is his gold complexion dimmed,
And every fair from fair sometimes declines,
By chance, or nature's changing course untrimmed:
but thy eternal summer shall not fade,
Nor lose possession of that fair thou ow'st,
Nor shall death brag thou wand'rest in his shade,
When in eternal lines to time thou grow'st,
So long as men can breathe or even can see,
So long lives this, and this gives life to thee