Wednesday, November 2, 2011

Washington National Gallery Exhibit in Kyoto


今日は少し寒いので、午前中は熱い紅茶を淹れて画集を眺めていました。
京都滞在中に京都市美術館で行われていた「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」。
モネ、ドガ、ピサロ、ゴーギャン・・・
印象派好きにはたまらないコレクションです。 

東京で同じ展覧に行ったお友達に、どの絵が一番好きだったか聞かれました。
そのときは
これと言って気に入ったものがなくちょっと困ってしまったのだけれど、
そういえばあのとき、館内の人込みの中でどこか寂しげだった
ベルト・モリゾの「ロリアンの港」はよかったなあと、
お友達と会った日の帰りの電車で思い出しました。


「The Harbor at Lorient (1869)」by Berthe Morisot. 

コローに影響を受けたというモリゾの絵、
描かれているのはモリゾの大好きだったお姉さんのエドマだそうで、
彼女が画家として生きていくのを常に支えてくれた大切な存在だったといいます。
ロリアンという小さな田舎の港でパリ風のドレスを着ているエドマ、
こういった一見ちぐはぐな題材をモリゾはとても気に入っていたのでしょうか。 
後にマネに大絶賛されるというこの作品、
私にはやっぱりどこか寂しそうに映るのだけれど、
それは大好きなお姉さんが結婚して
離れた場所で暮らすようになったからなのかなあと思います。


妹はルノワールの「踊り子」とジョルジュ・スーラの「オンフールの灯台」、
そして母はアメリカ人画家のメアリー・カサットの「青い肘掛け椅子の少女」が、
子供の頃の妹を思い出させるためにとても印象に残ったと言っていました。
こうやって偉そうに座っているところとか、ほんとそっくり(^^)
(画集の表紙が、そのカサットの作品)



 もう一度観たい、または良かったなあと思える展覧会では、
できるだけそのときの画集を買うようにしています。
実際ゆっくり画集を眺めていると、
美術館では見逃していたところを見つけたり、
画家の当時の考えとか時代背景を踏まえながら、
再び客観的に観ることができるから。
今の完成した作品に辿り着くまで、キャンパスに少しずつ色を乗せながら、
画家は何を思っていたのだろうかと考えるのも、また楽しいです。
ものすごく混んでいたけれど、行けてよかったです。