Friday, June 25, 2010

Sound

また山村光春さんに影響されて、
1年がかりで母に頼んで探し出してもらった阿部海太郎さんの
「Soundtrack for D-Bros」。
プロダクトデザイン・プロジェクトD–BROSの為に作った楽曲を
ひとつにまとめたものだそうです。
彼はピアノやバイオリン、パンデイロなどを使って演奏する作曲/音楽家なのですが
弾き手としてではなく、「音楽」という理念を勉強する為に渡ったパリでの生活の中で、
写真を撮る代わりに街の中で聞こえてくる音をレコーディングし、
それを自分の音楽と混ぜてCDにし、お世話になった方に送ったのだそうです。
これはそんな阿部さんの2作目のCD。
 彼の音楽は、耳に入ってくる日常的な音を大切にしていて、
「何気なくそこに存在する音」に焦点を当てています。
最近のJohn Zornにしろ、
こういった「いつもはスルーしてしまうであろう音」を大切にしている作品が
とても好きです。
普段は気付かない、でも日常からそれは必ずこぼれ出ている、
そんな”something precious”な発色。



“僕にとってのサウンドトラックは、 
映像やプロダクトから生まれるもう一つの作品であり、 
映像と音楽とが邂逅する、 あるいは、シーソーのように遊んでいるのが理想なのです。” 
阿部海太郎「Soundtrack for D-Bros」より