今年は寒さが続くな〜と思っていたけれど、
街に出てみれば桜が咲き始めていて、顔を上に向けて歩いています。
数ヶ月前、知人とナルニア国物語の「朝びらき丸 東の海へ」の映画を見に行ったとき、子供のときに読んだ忘れられない本について話しました。
彼女の忘れられない本はバーネットの「秘密の花園」だと言います。
私も好きな物語だったけれど、
当時もっと好きだったのは「長靴下のピッピ」を書いた
リンドグレーンの「やかまし村のこどもたち」シリーズでした。
リンドグレーンの「やかまし村のこどもたち」シリーズでした。
後にラッセ・ハルストレムにより映画化もされ、
妹とよく観ていたことも覚えています。
あとヘレン・クレスウェルの「村は大きなパイつくり」も印象に残っています。
村に関するのお話が好きだったのかな。
でも何と言っても衝撃だった物語は松谷みよ子さんの作品のひとつで、
小学校2年生のときに担任の先生が読んでくれた「ふたりのイーダ」でした。
今思うと、それは小学校の低学年には難しい話だったと思うし、
担任の先生がどうしてこれを選んだのかはよく分かりません。
なのにこれはずーっとずっと幼い自分の心を鷲掴みにしていたお話で、
四年生くらいのときに青い鳥文庫で自ら買ってしまったほど。
先生の本は単行本で、オレンジのイラストが載っていました。
青い鳥文庫も同じ方の絵が載っているのですが、
朱色で描かれた幼女が当時怖かったです。
(そんな先生は私が3年生に上がるときに学校をお辞めになり、
その年の夏に一枚の葉書を送ってくれました。
そこには今「きけ わだつみのこえ」を読んでいるんだと記載されていました。
当然私も図書館で借りて読んだけれど、チンプンカンプン。
更に数年経って読んだときに、
それが兵力不足を補う為に徴兵されて戦死した
学徒兵の遺書を集めたものだと知ったのです。
怖かったし難しかったけれど、涙なしには読めなかったのを覚えています。
ちなみに「わだつみ」とは「海神」のことなのだそう。)
つい数日前、ある日系の施設でテイクフリーの箱の中から、
講談社文庫の「ふたりのイーダ」を見つけました。
挿絵は違っていたけれど、
久しぶりに「ああ、こんな話だった」と思い出しながら、読み返しました。
そして再び、小学生の私がよくこのお話を理解出来たなあと感心してしまったのです。
小学生の私がこの本の何に惹かれたのか・・・
それは戦争への興味だったかもしれないし、
しゃべれる椅子への憧れだったかもしれないけれど、
やっぱり今でも惹かれるものがありました。
広島の原爆を題材にしたこの物語の結末は悲しい。
でもちゃんと希望あるのです。
辛い題材なのに、どこか暖かい。
そういうところが好きなのかなあ。
紙表紙を取ると、本自体のカバーが水色でとても昭和チックで素敵でした。
「ももちゃんとあかねちゃん」シリーズで有名な松谷みよ子さん。
近年はエッセイも綴っているそうなので、
機会があったらゆっくりと時間を書けて読んでみたいです。
それでは今日は昔風に・・・
さよなら、あんころもち、またきなこ。