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Tuesday, October 1, 2013

Nocturne

大学の英文学の授業でシェークスピアの「ハムレット」についてのプレゼンがあり、 
一文も漏れ残すことなく、ひとつひとつ意味を考えながら読んだことがありました。 
デンマークの王子様のお話。
 ネイティブに混ざってのプレゼンなので、発音や話し方で誤解を与えないように、 
また小学生のような内容にならないように、 準備に何日も費やしました。
 寝る暇もないほど大変だったけれど、今はとってもいい思い出。 
なのにすべてのプレゼンが終わったあと、教授が簡単に放った一言が衝撃でした!
 「Too much thinking. ハムレットはね、考えすぎちゃったんだよ」 
「えっ・・・ハムレットをひとことで片付けたよ、この人・・・」と思ったよ。 

 伯母の部屋に遊びにいくのが、子供の頃から好きでした。 
美術の先生だったり、外国に住んだり、秘書だったり、建築の勉強をしたり。
 そんな多才な伯母の部屋はたくさんの道具や本をはじめ、
 見たことのない面白いもので溢れていました。 
そんな伯母の部屋の本棚にあった一冊の本。
 母が「あなたは感受性が強いから読んじゃダメよ」と言って、
読ませてくれなかった。


12歳くらいのときのことです。 
そんな本を、
数年前にバンクーバーのBook Off(今はもうないのです)で見つけたときは、 
びっくりするよりもやっと読める年齢になったのだと思いました。 
12歳の頃なら読んでもよく分からなかったと思うけれど、
 確かに今より若い頃だったら感化されていたのかもしれない。 
エツコさん(著者のことです)の考える力。 読書量。 
なんて未熟なんだ〜と自分を責めていた彼女だけれど、 
20歳にしてこんなに考えることができる人間はそうそういないと思うのです。
 私なりにたくさんのことを考えながら大人になったと思うけれど、 
きっと彼女の思考力の半分も、私は持ち合わせていなかったんじゃないかなあ。 
若さと無知は比例しているのだから、それを恥じることはない。 
でも悩むことが大人になるってことなんだよね。 
残念ながらエツコさんは自らこの世を去ってしまったけれど、 
もし同じ時代に生まれていたら、私はどんな生き方を選んだかな。 
彼女のような「考える力」をきちんと持てていたのかな。 
彼女が生きていたら60代。 
もし違う道を選んでいたら、彼女は今、この世界のことをどう見つめていたのかな。 
時代と思想の重みを感じます。

 “独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。”

 彼女の有名すぎる言葉。 でも次の言葉にも切なくなります。 

“人間の存在価値は完全であることにあるのではなく、 
不完全でありその不完全さを克服しようとするところにあるのだ。 ” 

学生運動が盛んだった時代。 
自分の立ち位置を白か黒で決めなければならないと感じていた時代。 
その時代を生きていない私には理解できないこともたくさんあるけれど、 
あなたが言ったその言葉の通り 人間はどの時点に立っていたって、
常に未熟なものものではないのかな。 それはあなただけのことじゃなかったのに。

 将来のこと、恋愛のこと、家族のこと。 
太宰にジャズにシアンクレール。
 シュプレヒコールと暴力のツアイトガイストの中で、 
大好きなショパンを聴きながら、
 ハムレットのようにいろんなこと 考えすぎてしまったんだね。 


Saturday, August 17, 2013

Two Capriccio Pieces

誰かに曲を作って贈れること、 なんて素敵なジェスチャーだろうって思います。
 曲でなくても、相手への想いを絵や香りで表現できたら、
それもとってもカッコいいな。

 ヨハン・ゼバスチャン・バッハ(以下バッハ)は若い頃、 
長兄、次兄それぞれのために曲をつくりました。 
次兄のヨハン・ヤーコブがオーボエ奏者として 
スウェーデンの軍隊に参加し遠征することになったときに贈ったのが 
「カプリッチョ 変ロ長調 BWV922」。
 バッハが19歳のときの作品だそうです。 
曲には「最愛の兄の旅立ちにあたって」という表題がついており、 
楽章すべてにはそれぞれストーリーがあるのです。 
CDを持っていないので、
youtubeで有名なウィリアム・ケンプ氏、レオンハルト氏、 
そしてグルダ氏の演奏を代わる代わる聴いています。 
ピアノで聴くのと、チェンバロで聴くのでは、雰囲気がとても違います。


もうひとつは長兄のヨハン・クリストフにあてて書かれた作品、
「カプリッチョ ホ長調 ヨハン・クリストフを讃えて」です。


幼い頃に両親を亡くしたバッハは、義母と共に暮らせなくなると
14歳年の離れた長兄に引き取られ、チェンバロの基礎を教え込まれたのですが、
すでにオードルフでオルガニストとして活躍していまたお兄さんは
貴重なオルガンの楽譜をたくさん持っていたにもかかわらず
それをバッハに見せることを拒んだため、
バッハは何ヶ月もかけて、月の光を頼りにそれらの楽譜をこっそり書き写したそう。
でも結局はお兄さんに見つかってしまい、
写した楽譜もすべて取り上げられてしまったのです。
そんなことがあっても、バッハは
お兄さんに対しては感謝と尊敬の念を抱き、音楽の勉強を続けました。

私は「彼の曲はこうでああで」と語れるほど音楽に詳しくありませんが、
バッハは作品に表題(サブタイトル)をつけることをあまりしなかったので、
表題のついているこの2つの作品は珍しく、曲調も彼らしくないそうです。
でもこれらの曲は彼が20歳前後の作曲なので、
まだ自分のスタイルが定まっていなかったためなのかな。
でも私は曲それぞれが若々しく、
カプリッチョというようにどこか追いかけきれないメロディで
面白いなと思いました。
バッハは曲にどんな思いを込めたんだろう。
お兄さんたちとどんな話をしたんだろう。
お兄さんたちにとってどんな弟だったんだろう。
いろいろなことを想像しながら、聴いていました。

 Capriccio 'Sopra la lontananza del suo fratello dilettissimo' B-Dur BWV 992 
(Capriccio on the Departure of his Beloved Brother) by J.S. Bach
played by G. Leonhardt (harpsichord), by W. Kempff (piano), by F. Gulda (piano)

Capriccio in honorem Johann Christoph Bachii Ohrdruf BWV 993 
(Capriccio in E major) by J. S. Bach
played by R. Egarr (harpsichord) and by S. Richter (piano)

Be Tipsy


数日雨の日が続いたけれど
金曜日は主人が帰宅する頃には晴れ間が戻っていたので、
「世界でいちばん・・・」の歌を口ずさみながら
クラッシュした氷をたっぷり入れた冷たいモヒートを作りました。
お酒、ふだん飲まないので、
小さいグラス一杯でも酔っぱらってしまいそう。

「ステレオタイプの毎日が ほら蜃気楼の彼方に消えてく」とな。
プリプリ、大好きなのです(^^)

世界でいちばん熱い夏」 by Princess Princess

Friday, July 12, 2013

For the Light in Your Eyes

7月、私にとっては「ブラジルの月」なのです。
 3年前の7月は仕事でブラジルのサンパウロに行っていました。 
すごーく忙しくて観光はほとんどできませんでしたが、 
それでもサンパウロの活気をたくさん感じて、忘れられない国になりました。 
今頃あちらは冬ですね。

▲3年前に撮ったサンパウロでの写真 

 そんな今日もブラジルのリズムをひとつ。
 最近気になっているPaula HeringさんとRafael Arcaroさんのユニット。 
Youtubeでたまたま見つけたのですが、動画も可愛いです。
 ネットで検索してもあまりヒットしないので
プロとしては活躍されていないのかもしれませんが、 
Rafael Arcaroさんのギターも素敵で、息づかいも心地良いです。


夜に彼らの歌声で涼を取るのもいいかもしれない。

 I found this nice clip of Paula Hering and Rafael Arcaro from youtube. 
I don't know if they perform professionally, 
but I very much adore their cozy music. 

Other pieces: São LonguinhoCarinhoso and Samba poema 
by Paula Hering & Rafael Arcaro
(Their Facebook page is 
here and more music is in soundcloud.)

Tuesday, July 9, 2013

ouço as cores e vejo os sons


"太陽がゆっくりと沈んでる 
ドビュッシーの海に沈み、そこで果てる 
海の青の中で ルノアールのきらびやかな色彩 
女性や小舟や裸の胸が 宙に点を描く 
ラヴェルの神秘的な音 私たちを包み、
地面で守ってくれる空 レモン・ブルー 
モネの輝く色彩 まるで庭に咲くアマポーラのように 
私とあなた 自分の心を写真に撮ってみる  
色を聞き、音を見る 
数々の海と空の、色と音を  
様々な青に驚嘆する 
そして美は刻み込まれる 
永遠に、私の中に" 

 ジョイス・モレーノ「クロードとモーリス」國安真奈・訳



柔らかい歌い方の小野リサさんのボサノヴァ、心地よくて好きです。
 でも最近はジョイス・モレーノさんの力強い渋さも、聴いていてホッとします。 

彼女の歌詞の表現力がとってもとっても豊かで、 
まるで繊細できれいな挿絵が載った絵本を読んでいるみたい。
 曲を聴きながらポルトガル語の歌詞カードとにらめっこして、
 理解できる単語をピックアップしています。 
スペイン語がすこしだけ(ほんとうに少し)分かるので、
 それに似ているポルトガル語はなんとなく単語を照らし合わせやすいです。
 ドビュッシーやルノアールなど、人の名前はすぐ分かるし、 
英語と同じもの、簡単な文法も何となく分かる気がして楽しい。 
ちなみにアマポーラはポピーのことです。


アルバムを聴きながら、前日に買ってきたシェ・クリストフのチョコレートを。
 新しくできたショコラトリー。 
クロワッサンを買うつもりで寄り道したら、
スイススタイルのチョコレートや 
フレンチ・ガトーがたくさんあって迷ってしまいました。 
様々な国で働いたあと、
バンクーバーの有名レストランで パティシエをしていたというクリストフさんのお店。 
その後ドライブに行く予定だったのですが、
クーラーボックスを持っていたので クロワッサンの他に
チョコレートとマカロンも買ってもらいました。
 今度はガトーを食べてみようっと。


 "Claude et Maurice" from "Tudo" by Joyce Moreno
Chez Christophe Chocolaterie (4712 Hastings Street Burnaby, BC V5C 2K8)

Thursday, July 4, 2013

A Year with Bach


最近音楽をもう少し規則的に聞いて見るのも大切かなと思い始めました。
クラシックが好きでコンサートにも出かける機会が多いのですが、
曲目がありすぎて、
もっと味わいたいのに消化不良だよ~と感じることが何度もあるからです。
そのことを主人に話したら、
それなら時間をかけて、一人の作曲家に焦点を当てて聞いて見るのはどう?
と提案されました。
ふむ。それはいいアイディアかも。
聴きながら、その人のバックグラウンドを調べてみたり
歴史背景なども含めて聴いてみたら、今よりももっと曲に入っていけるかもしれない。
ということで、(もちろん他の音楽をまったく聴かないわけではないけれど)
まずは1年間、ひとりの作曲家の曲をひたすら聴いてみることことにしました。

ベートーベン、サティ、タレガ、ラフマニノフ。
好きな作曲家は大勢いるけれど、まずは古典から聴いてみたいなと思い、
音楽の父であるバッハを選びました。
バッハなら知っている曲も多いわりに、
今まで進んで聴いていたわけではないので楽しそう。
とかなんとか思っていたけれど、
曲目リストを見ていたら量が多すぎてすでに挫折しそうな勢い・・


とりあえず家にあるバッハのCDを集め、
更に新しく買ったCDとバッハの本を並べてみました。
バッハで有名な音楽家はピアノのグレン・グールドさんしか知らないので、
まずはチェリストのYo-Yo Maさんがオススメしていた
「The New Bach Reader」を読むことにしました。

バッハが残した数多くの手紙などの記載があり、
伝記のようにもっと資料的な感じでいいかな、と。

最初はバッハ一族のことを調べたのですが、それがすごい。

音楽一族という名の通り、家系図を見ているだけでもびっくりするほどの
音楽家の数なのです。
ヨハン・ゼバスティアンだけでも子どもが20人!
(亡くなった子どもも多く、実際は10人)

ちなみにバッハ家でいちばん最初に家系図に着手したのは、
「大バッハ」であるヨハン・ゼバスティアン本人だったそうです。

 New Bach Reader by H. T. Elliot, A. Mendel, and C. Wolf

Friday, June 28, 2013

Rhapsody in Blue


Queen Elizabeth Park の次の日は、スタンレーパークのローズパビリオン。
 たくさんある中で私がいちばん気に入ったバラは、
この紫のもの。 同じ苗でも、花弁の色の濃さが違うのです。 
名前が「Rhapsody in Blue」だったので、
そのメロディを口ずさみながら楽しみました。 
濃厚な香り。
いつかお庭を持てたら、この種類を育てたいなあ。 

Rhapsody in Blue (Part 1 & 2) by G. Gershwin, 
played by New York Philharmonic Orchestra, conducted by Leonardo Bernstein 


↓主人は下のたくさんの蕾がついているのが好きだそうです。 
真ん中のバラを蕾が守っているみたいで、お城っぽいからだそうです。 

Tuesday, June 11, 2013

Ave Maria

Ave Maria, gratia plena, Dominus tecum, 
benedicta tu in mulieribus 
et benedictus fructus ventris tui Jesus!
Sancta Maria, sancta Maria, Maria,
ora pro nobis, nobis peccatoribus
nunc et in hora, in hora mortis nostrae.
Amem Amen.

今日はバッハの「アヴェ・マリア」を繰り返し聴いています。


"The Madonna of the Meadow (1506)" by Raffaello Santi

高校はカトリックのミッション系に通っていました。
私自身はカトリックではありませんが、
高校生活のおかげでロザリオを数えながら天使祝詞など、今でも唱えられます(^ ^)
校舎に隣接してお御堂もあり、お昼休みのお祈りの時間が好きでよく通いました。
懐かしいな。
そんな高校生活の中ではたくさんの聖歌を歌いましたが、
学校集会などの時にはいつも、このバッハのアヴェ・マリアを歌いました。
この曲のおかげで、ラテン語はカタカナ読みができるんだなぁとびっくりしたものです。
(実際は微妙に発音が異なるけれど)

正式名、愛称と多岐に渡りアヴェ・マリアと呼ばれるものはたくさん存在しますが、
有名どころのシューベルトやペルゴレッシィのものなど、大好きな聖歌です。


実際の祈祷文と訳はこのWikipediaに載っています。
グノーの歌詞は最後が少し異なるみたいですね。
Youtubeで探したら、Eula Beal さんという方のビデオを見つけました。
コントラルト(アルト)の素敵な声、すごい声量です。
もうひとつ、ジュリアン・ロイド氏のチェロもリンクを貼っておきますね。
(いちばん下にリンクがあります。)
まるで鏡のようにきれいな水面を指先でスーッと撫でているような優しい音色です。

 Music: Ave Maria of Gounod / Bach, sung by Eula Beal
    Ave Maria by Julian Lloyd
Album: Ave Maria - Arias Y Coros Reli by Eloquence

Wednesday, May 29, 2013

Passion

(長文です) 

 5月29日の今日は私にとって特別な日。 
カナダで暮らしはじめて、今日でちょうど10年目なのです。 
10を指で数えてみると、両手が塞がってしまう。 
そんなにも長い年月、ここにいたのかと思うと、ほんとうに自分でもびっくりです。 
語学学校へ通って、ボランティアをしながら大学に入るためにTOEFLの勉強をして、 
大学に入って、死ぬほど勉強して、卒業して、 仕事をして、結婚して、
いろんな人に出会って、なんて長かった10年・・・ なーんて嘘です。 
あっという間の10年でした。 
先輩方からは「10年なんてまだまだよ!」って笑われそうですね(^^)


〜〜〜 

ミロッシュのセカンドアルバムを買いました。 
ファーストは「地中海」がテーマでどちらかというとメロウな落ち着いた選曲でしたが、
 今度のは「情熱」がテーマとあってラテンアメリカの音楽が詰まっています。 
全体的な印象としては
終始ジャンプしながら踊りまくるような「表に出す情熱」ではなく、 
まるで心の底から己の思いを絞り出すかのような「静かな情熱」な感じです。 
でも明るさも忘れてない・・・みたいな。 
ふう、すてき。どっちも好きだな。
 でもファーストに入っているタレガの
「涙」という意味の「ラグリマ」はいちばんのお気に入り。 
たった2分足らずのピースが心地よく、
自分の日々の躓きを許してもらえるような気がします。

 ファーストアルバムについていたDVDを見ました。
 ミロッシュはバルカン半島のモンテネグロ出身。 
そのモンテネグロ(元ユーゴスラビア連邦共和国/セルビア・モンテネグロ)にも衝撃を与えた 
ユーゴスラビア紛争を目の当たりにし
十分な物資がない生活の中で生きてきた彼ですが、 
両親の部屋で埃をかぶったギターを見つけたときから、
ずっとギターと人生を共にして来ました。
 13歳のときにフランスに招待を受け演奏旅行をしたことがあったそうですが、 
当時彼のご両親はお金をかき集めて、
彼にリサイタルで着るスーツを買ってくれたそうです。 
DVDには彼の子供時代の映像もありました。
 TVでギターを弾きながら歌う小さな彼がとってもかわいい。 
彼はいわゆる神童だったかもしれないけれど、
本物の音楽家になるために人一倍努力し、 
そして何よりも「やりたい」という思いを持ち続けて来たことがすごい。 
彼自身、「子供の頃の映像を見ていると、
その年齢であれだけの大きいことをやって来こと、 
そして自分がどれだけギターを弾きたかったのかということに驚嘆する」
と話していました。

 映像の中でとても印象に残っているのが、
「17歳で国を出たので、
 他の人のように自国に自分のルーツを十分に残すことが出来なかった」という言葉。 
この気持ち、すごくよくわかる気がします。 
ロンドンの音楽学校にどうしても入りたくて 
まわりに内緒でオーディションビデオを作り送ってしまった彼のように、 
私もどうしても外国に行きたくて、学校への手続きやホームステイのアレンジ、 
1からすべて自分でやったなあと。
 今思うと、それこそすごい情熱。すごい希望。 
そんな留学時代は楽しかったし、辛かったし、いろんな意味で自分を鍛えてくれました。 それでもふと、 
もし自分が日本に残って日本の大学に行っていたらと思うことがあります。 
ルーツの意味をすごく考えることもあります。 
自分で選んだ道だけれど、それでも、
日本にいればこんなに苦労することもなかったのに。 
もしカナダに来なければ、 日本の大学に通って、
アルバイトしたり、お洒落したり、どんなに楽しかったかな。 
日本での常識が通じない場所でやきもきすることも少なかっただろうし、 
寂しいっていう気持ちをこれほど味わうことはなかったんじゃないかな。
気付くと、そう感じていることがありました。

 でも最近、こう考えるようになりました。 
「もし」という仮定の世界を描いてみても 
その世界がこの現実の世界よりいいものだったかは分からないし、
 どんな道を選んでも、同じくらいのメリットとデメリットは存在したはず。 
楽しい、嬉しいという気持ちや達成感は 
「仮定の世界」と同じだけ「現実の世界」で感じ取って来たはず。 
だからこれまで自分がして来た選択は、けっして無駄じゃなかったはず。 

そんな私の思いを、映像の中のギタリストが分かってくれたような気がしました。 
(彼と違って何の功績も残していないし、
苦労も努力も彼の半分にも満たない私が言うのはずうずうしいのですが。)


あっという間の10年の間、ほんとうにいろんなことが変わりました。
 太ったし(><)
 ベタですが、その間私を支えてくれた日本の両親には感謝してもしきれません。
 いつもありがとう。そしてごめんね。 
でもこれからもここで頑張ります。

 〜〜〜 

ミロッシュのギターの音色は、
私のこの10年に「頑張ったね」「成長したね」と 
メッセージを送ってくれているような気がしました。 
やっぱり、ずうずうしいですね(^^)

Thursday, May 9, 2013

Spring Days and A Symphony

主人のお客様のひとりが焼いて来て下さったケーキでティータイム。
 シナモンが利いていて美味しい♪


週末、秋山和慶さんの指揮するメンデルスゾーンを聴きに行きました。 
ピアノコンチェルト第1番ト短調で、
 ピアニストはアルゼンチンのイングリッド・フリッターさん。 
彼女のピアノははじめて聴きましたが、
まるで魂がピアノと一体化しているみたいで 
いい意味でトランス状態を味わっているような。 
力強い演奏の中に柔らかい女性らしさが備わっている感じで、
とても良かったです。 
いつかチャンスがあったら彼女の他の曲をいろいろ聴いてみたいな。 
最終演目のシュトラウスのティル(ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら)は
 きっと主人も気にいるだろうなと思ったら、やっぱり好きな感じだったそうです。 
よかった♪
 秋山さんの魔術師のような機敏な演奏とともに、5月の夜を楽しみました。 

街中に溢れるチューリップもそろそろ繚乱ですね。 
風にそよぐ姿が爽やか。

 Till Eulenspiegel's Merry Pranks by R. Strauss
(1950年にカーネギーホールで演奏された、今はなきRCA Victor Symphonyの演奏です。テンポが早い!)

Symphony Program: VSO, Kazuyoshi Akiyama (Conductor), 

Ingrid Fliter (Pianist)

・BERLIOZ  Le Corsaire, Op. 21
・MENDELSSOHN  Piano Concerto No. 1 in G minor, Op. 25
・BARTÓK  Divertimento for Strings
・R. STRAUSS  Till Eulenspiegel's Merry Pranks, Op. 28

Wednesday, April 10, 2013

Piano Concerto No.2

先月かな、ブラームスのピアノ協奏曲第2番ばかりを聴いていた週があって、 
たまたまVSOのスケジュールに同じ曲があったので、楽しみにしていました。 
ピアノコンチェルトの中でも難しい曲のひとつ。 
このピアノ協奏曲は第一楽章がとくに好きなのですが、 
なぜかいつもスターウォーズのシーンが浮かんできて宇宙を想像してしまいます。 
変な感想でごめんなさい~。スターウォーズとはぜんぜん関係ないんです(>_<) 


グリッサンドが柔らかくて素敵だったピアニストはカナダ人の青年 (まだ21歳!)。
 シンフォニーを聴いていても、ブラームスはやっぱりすごく難しそうでした。 
コンマスとのアンコールでは一気に緊張が溶けたかのように笑顔が広がり、
 思いっきり演奏していたのが印象的でした。 
それから、今回ゲストで来られた広州フィルのDaYu Lin (林大叶)さんの 
「小ロシア」の指揮がとても良かったです。 
チャイコフスキーはあんまり得意ではないのでちゃんと音に入れるか心配だったけれど、 彼の指揮を見ていたらあっという間で、
 最終楽章ではもっとずっと続いてほしいなぁと思いながら聴いていました。 

 おやつにプチシュークリームを焼きました。 
今もまた、大好きなアラウの弾くピアノ協奏曲を聴いています。

Symphony Program: Vancouver Symphony Orchestra
DaYa Lin (Conductor), Avan Yu (Pianist)

 ・MENDELSSOHN Ruy Blas Overture, Op.95
 ・BRAHMS Piano Concerto No.2 in B-flat Major, Op. 83
 ・TCHAIKOVSKY Symphony No.2 in C Minor, Op.17, Little Russian

Friday, March 22, 2013

Demanten på marssnön



イースターのパステルカラーが街を彩るこの季節。
今年も例年通り花粉症に泣いています。
鼻が通らないので寝ている間どうしても口が空いてしまい
喉が乾燥して咳がひどいけれど、私はやっぱり鼻がいちばん弱いです~
ハクシュン!

それでもせっかくの春だから、きれいな色をいっぱいいっぱい取り入れたい。


チーズを買いに行ったついでにお花屋さんを覗いて、
ミモザをとラナンキュラスを包んでもらいました。
その帰り道に立ち寄ったドラッグストアでイースターのチョコレートを買いました。


中身よりも缶が欲しくて。
チョコレートは大きなうさちゃんをこれをバンバン割って食べます。
そして缶の使い道はと言いますと…
ふふふ~ん。
じゃーん、色鉛筆入れo(^▽^)o
ぴったりだ♪


~~~

主人はこの日の夕方 (土曜日)に、打ち合わせで出かけたのですが、
家を出てすぐに電話で「窓の外を見てごらん」と言うので、
ブラインドをあげてみたら、サラサラときれいな雪が降っていました。
たぶん山の上だけだと思うけれど、さっきまで晴天だったのでびっくり。
風花だ〜。
30分ほどで止んでしまったけれど、この時期雪が降ると思い出す、
シベリウスの「3月の雪の上のダイヤモンド」のCDを今年もかけました。去年の記事。

この詩をつくったのはスウェーデン人だったヴェクセルという方で、
それにフィンランド人のシベリウスが音楽をつけたのだそうです。

きっと北欧では真っ白な雪が3月の太陽の光を浴びて
キラキラ輝いているんだろうな。
雪で覆われた大地を思い浮かべます。

~~~
På drivans snö där glimmar en diamant så klar. 
Ej fanns en tår, en pärla, som högre skimrat har. 
Utav en hemlig längtan hon blänker himmelskt så: 
hon blickar emot solen, där skön den ses uppgå. 
Vid foten av dess stråle tillbedjande hon står 
och kysser den i kärlek och smälter i en tår. 
O, sköna lott att älska det högsta livet ter,
att stråla i dess solblick och dö, när skönst den ler! 

吹き溜まりの雪の上できらめいている あのダイヤモンドはとても鮮やかだ。
どんな涙も、真珠でも、 あんなに輝きを放ったことはなかった。
明るい空に向かって、
美を放ちながら昇る太陽に向かって、
切望を内に秘めた彼女は輝く。
その光線のたもとに、祈るようにして座り込んだ彼女は
深い愛をこめてその光にキスをし、涙となって溶けてゆく。
ああ、なんて美しい運命!
人生が与えてくれる最も素晴らしいものを愛し、
その光の中で煌めき、その頂点で命を終えるのだから。


Demanten På Marssnön, op. 36-6 by Jean Sibelius; poetry by J. J. Wecksell


(これはノルウェーのKirsten Flagstadさんのものです。)



スウェーデン語はわからないので、英訳されたものを私が日本語に訳しました。
完璧な直訳でないのはそのためですが、歌詞がとても素敵なので参考までに載せておきます。

Friday, March 15, 2013

Elegantly Put

好きな音楽家は誰ですか? 
たまにそう聞かれることがあるのですが、答えに困ってしまいます。
 好きな作家は誰ですか?と聞かれるのと同じくらい、
難しい質問。 
好きな音楽、好きな本、たくさんあるからです。
 たくさんありすぎて、
そして新しい「好き」がどんどん増えてしまって。


先日ある本を読んでいたら、音楽とカタカナの関係について触れていました。 
数年前に流行った「のだめカンタービレ」のカンタービレは 
発想記号と呼ばれる音楽用語で「歌うように」という意味ですが、 
他にもアッチェレランドとかダル・セーニョなど、 
カタカナだと何かすごいことのように思えてしまう言葉が、
 日本語に置き換えてみると、あぁ、なんだ~と魔法がとけたように思えたりします。
 バイオリンを数年にかけて習っていたことがあるのですが、 
子供ながらに記号の意味を覚えるのが嫌で嫌で。
 楽譜を読むよりも、聞いて覚える方が得意だったので、 
先生のお手本を聞いて、それでできるだけ覚えようとズルしてました(。-_-。) 
今は記号なんてほとんど覚えていないし、楽譜もきっと読めないだろうな。 

他にも音楽用語とカタカナの関係を考えてみました。 
たとえば、セレナーデ。 
セレナーデを漢字で書くと「小夜曲」になるそうです。
 小さな夜の音楽。

 他にも… 
コンチェルト (協奏曲) 
フーガ (遁走曲) 
ファンタジア (幻想曲) 
ラプソディー (狂詩曲) 
ノクターン (夜想曲) 
ワルツ (円舞曲) 
プレリュード (前奏曲) 
オヴァチュア (序曲)
 などなど。

 カタカナはそれだけでなんだかエレガントだけれど、
 漢字にするととてもドラマティックだなぁと思いました。
 そんなカタカナの単語を聞くと、
何かがリンクしたかのように 瞬時的に思い浮かぶ曲があります。
 たとえば、セレナーデときくとシューベルトの
「白鳥の歌 Schwanengesang」の
「Ständchen」が私の頭の中をぐるぐる回りはじめます。 
もともとは歌曲でフルートのアレンジも人気ですが、
 私はピアノのソロがとても好きです。
 恋人への想いを綴った歌詞は、
メロディーと溶け合いながら そっと消えていくかのような儚さがあります。

Schwanengesang D957 №4 (Ständchen/Serenade) by F. Schubert
(これはナナ・ムスクーリさんが歌ったものです)