4月の終わり頃、本屋さんで欲しかった本1冊と
たまたま目に飛び込んできたものを1冊買いました。
そのたまたま目に飛び込んできた本、
そういえば半年くらい前にお友達が読んだとブログに書いていたっけなと思い、
ふと読みたくなったのです。
実は日本語のものを持っていてすでに2度読んでいたのですが、
英訳のものを読んでみるのもいいかなと思ってページをめくったら
面白くて止まらなくなりました。
ノルウェーの作家ヨステイン・ガーダーさんの「ソフィーの世界」です。
以前「ソフィーの世界」を読んだのは中学生の頃と20歳のときでしたが、
その頃は哲学にまったく興味がなかったので、さらっと読んでおわり。
まったく理解もしていなかったし、何を思ったのかも覚えていません。
でも今こうしてメモを取りながら読みはじめたら、1ヶ月もかかってしまいました。
しかも大学のときにはほとんど使わなかった哲学事典が役にたったし・・。
子供用の本なので文体が難しいわけではないのですが、
1ページ1ページをある程度把握して読み進めないと、頭がクラクラしてきます(><)
ほんとうに子供向けの本?と頭をひねらせてしまうくらい、
私には難しかった。
登場する哲学者たちは世界中に影響を与えたわけですが、
他にも影響を与えた哲学者たちはいたわけですし、
あくまでもヨーロッパをメインステージとしたセレクト。
でも改めて考えながら読んだら、
それぞれの生きた時代の中で自分なりの結論を見いだしてきた
哲学者ひとりひとりがすごくて、
感動して胸がドキドキしました。
とくに古代ギリシャ時代の哲学者たちの思想には
何もないところからよくこれだけ考え出せたなと唸ってしまったし、
プラトンやサルトル、本中には出てこないけれど
作者に大きな影響を与えたと思わせるハイデガーの思想などにも、
すごく興味がわきました。
毎日少しずつ読んでいたのですが、読んでいる間は、
毎回帰宅したばかりの主人を捕まえて
「今日はダレダレを読んだんだよ、こういう考えだったんだよ」と、
報告してしまうほど面白かったです。
そしてその哲学者たちの考えについて主人と話し合う時間も、
とても楽しかった。
今の時代を生きる私たちとしては、ナンセンスな思想もあったりするのですが、
問題はそういうことではなくて、
人類が生きて来た道筋には、
こんな風に考えていた人たちがいるんだよ、
生きるということをこんな風に捉えていたんだよ、と教えてくれる。
どうぞ哲学の世界に興味を持って下さいと視野を広げてくれる。
哲学は今の時代、ある人にとっては宝物のような発見であっても
別の人にとってはゴミくずと同じでまったく意味をなさないもの。
普段の生活に不可欠なわけでもない。
でも、哲学って何だろう、私はどこから来たんだろう、
世界はどうやって出来たんだろう、人はなぜ生きているんだろう。
そんな問いを自分自身で考えながら生きていくことは、
とてもリッチなことだなと思います。
最後のチャプターで作者はビッグバンと宇宙について書いていますが、
その中に書かれていた“...us too are stardust."という文が心に残りました。
私たちも「星屑」なんですって。
ビックバンによって宇宙には水素や元素などの様々な物質が散らばり、
その物質同士がくっついたり離れたりしてできあがったものが星となり、
太陽系、地球、更には生命が誕生した。
すべてのものは元素で構成されていて、人間も例外ではない。
故に、元を辿ると私たちも宇宙から生まれてきたのだと。
ふぁ〜、なんだか素敵だなあ。
子どもの頃に読んだだけですが、彼の他の作品も(もっと簡単で)面白かったです。
生きることがどれだけすごいことなのかをじんわりと気付かせてくれたような
そんな1ヶ月でした。
Sophie's World: A Novel About the History of Philosophy by Jostein Gaarder