過ぎにし方恋しきもの 枯れたる葵。
雛遊びの調度。
二藍、葡萄染などの裂拷の、押し圧されて、草子の中などにありける、見つけたる。
また、折からあはれなりし人の文、雨など降りつれづれなる日、探し出でたる。
去年のかはほり。
「枕草子」清少納言(角川文庫27段)
もっと古文を勉強しておけばなあとか、和歌が詠めたらなあと思うほど、
素敵な歌がいっぱい詰まっている清少納言の「枕草子」では、
上記以外に、112、162、そして245がとくに好きです(すべて角川参照)。
清少納言にとっての「過ぎてしまった昔の懐かしいもの」。
枯れた葵。人形遊びの道具。
二藍や葡萄染めなどの布の切れ端が
本の間に押しつぶされて挟まっているのを見つけたこと。
しみじみと心にしみた手紙を、雨などが降って退屈な日に探しだしたこと。
去年使った蝙蝠扇。
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一保堂の「明昔(さやかのむかし)」をあけて、お茶を点てました。
新しくあけた瞬間のお抹茶の香りは、
昔どこか遠くで聞いたことのあるような懐かしい香りでした。
ふと、あんみつも食べたくなったけれど、あんみつは無理なので、
アイスクリームに台湾タピオカと抹茶を乗せてみました。
抹茶アイスクリームを作る時はたっぷりの抹茶をアイスクリームと一緒に練るけれど、
今日は上にちょっとだけ振りかけるだけ。
台湾タピオカは中華系スーパーで買ったものです。
タピオカ、悪くはないけれど、冷たいものと混ぜることで、
せっかく柔らかくなったタピオカが少し硬くなることが判明です。
やっぱりバブルティーと一緒が一番いいかな。
またはたっぷりの黒砂糖で煮詰めて、そのまま食べるの美味しいです。
は〜、あんみつとか、葛餅とか、水ようかんとかが食べたい。
これこそ今の私の「過ぎにし方恋しきもの」だなあなんて思ったり。
ここでは葵の花を見かけないので、主人が買ってくれたカラーの写真をのせました。
カラーは長く咲いてくれるので嬉しいです。