昨日は雨が降りました。
バンクーバーらしい気候に、やっと戻ったかのような感じです。
2ヶ月前に生まれたお友達のベビちゃんに会うために、
昨日は久しぶりに傘をさして出かけました。
3時間いちども起きることなく眠っていてくれた かわいいベビちゃんの寝顔と
ママの顔になったお友達を眺めながら、
毎日ふつうに暮らしているようだけれど、時間は私たちの気持ちとは反比例して、
ビュンビュンと突風のように過ぎていってしまうものなんだなあと
しみじみ感じていました。
雨は嫌いじゃないけれど、バンクーバーに住んでいると、
雨の多さにほんとうにうんざりするのです。
1年の半分近く雨だから。
でも昨日は久しぶりの雨だったおかげで、
なんだかミストの中を歩いているみたいで気持ちがよかったです。
写真はおととい家の周りをお散歩したときに撮りました。
数日前に空気が一気に秋のものに変わって、
朝に霧がかかるのは、
妖精が空を舞っているからだって、昔聞いたことがあるから。
春もいい、夏もいい、冬もいい。
でも侘しさを含む秋はすごくいい。
枯れ葉を見ていたら、高校生のときに習った有名な和歌を思い出しました。
“み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり”
藤原雅経「小倉百人一首94番」または参議雅経「新古今集 秋下483」
吉野の山に秋の風が吹き 夜が更けて
かつて都だったこの吉野も寒く侘しく、
冬支度のために砧で衣を打つ音が響く・・・だったかな。
この詩を習った当時は、なんで着物を打つんだろうと
すごく不思議だったのです。
聞いたら、アイロンがなかった時代は、洗った着物を石などの上に置き
砧でたたいて柔らかくしたり、皺を伸ばしたりしたんだそうです。
読書の秋、芸術の秋、食欲の秋。
どれをとっても情趣ある秋になるといいな。