久しぶりにUBCまでドライブし、
MOA (Museum of Anthropology) へ行きました。
Anthropology (人類学) は大学でクラスを取ったほど興味のあるフィールドで、
カナダに来たばかりの頃は毎年夏に訪れていました。
閉館時間に追われるように出てきたので入りませんでしたが、
以前はなかったカフェができていました。
MOAではカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の先住民族の
作品を中心とした展示がされていてます。
その中でも特に有名なのは、街の至るところで目にできるトーテムポールですね。
でもこの博物館のすごいところは、カナダの先住民族だけでなく、
世界中の民俗学的コレクションを所蔵していることです。
アジア、オセアニア、アフリカ…
生活品をはじめ、鎧兜や印籠などの日本のものも展示されていました。
▲着物などの染めに使われたステンシルの型。
見ている間、主人が
「中国、韓国、日本など、もともと同じ民族だったはずの人々が、
別の名前の国で似たような、
でも独特の文化を育んできたっていうのはすごいよね」
と言いました。
たしかに、着るものひとつにしても、似てはいてもまったく同じ形ではないし、
色の使い方や形、人形などの顔の表情などをよく見ていると、
やっぱり少しずつ異なっている。
それは他の地域でも同じで、似ている文化であっても、
国が変わるとどこか違う。
その違いを見るのがおもしろいのです。
▲これらは食べ物を載せるものとして使われていたそうです。
大学で心理学を専攻した当時、
「心理学を学ぶにはまず人類学を勉強しなさい。
人がどこの地域で生きてきたかによって、
心理学の方向性は大きく変わってしまうのだから」と
教えてくれた方がいました。
心理学と一言でいっても幅広いのですが、
カナダのように様々な人種が集まって作られた国というのは、
カナダで生まれた人だけを対象にするのではありません。
カナダで生まれていようがどうだろうが、
育った環境 (たとえば中国コミュニティーやスラム街) や家族の持つバックグラウンドによって思考や行動が大きく異なるため、
大学で「心理学」を勉強したからといって人の心理を理解できるというわけではない、
という根本的なことを気付かせてくれたのです。
心理学、民俗学、人類学、歴史。
すべてはみんな繋がっているということなんですよね。
私たちはカヤックをするので、イヌイットのセクションはとても面白かったです。
ショーケースの下にはたくさんの引き出しもついていて、
開けるとその民族の装飾品や生活雑貨などが観覧できるようになっています。
引き出しを開けるまで何が入っているのかわからないので、
ワクワクします。
特別展では、陶芸家であるGwin Hanssen Pigottさんの作品が展示されていました。
彼女の作品、無駄がなくとても美しかったです。
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帰る前に博物館のまわりを歩きました。
博物館の裏、とてもきれいになっていました。
Museum of Anthropology (6393 NW Marine Drive Vancouver, BC V6T 1Z2, on UBC)